あかつき@おばなさん主催のDTPの勉強会第1回が、6/26日に東京の大橋会館にて開催されます。
今回のテーマは「出力・印刷の現場」
スピーカーは、大阪DTPの勉強会第4回にて第2セッションを担当した、村上&坂口氏です。
あかつき@おばなさん主催のDTPの勉強会第1回が、6/26日に東京の大橋会館にて開催されます。
今回のテーマは「出力・印刷の現場」
スピーカーは、大阪DTPの勉強会第4回にて第2セッションを担当した、村上&坂口氏です。
2010年3月6日(土)TKP大阪淀屋橋カンファレンスセンターにて、「大阪DTPの勉強部屋」の第4回勉強会が開催されました。
Session 1:DTP完全データでトラブル回避
スピーカー:柴田勉氏(株式会社ノア・デジタル)
Session 1では、印刷会社でデジタル製版部門を統括される柴田勉さんが「DTP完全データでトラブル回避」と題して、大きく二つのテーマでお話しされました。
1つ目は「完全データでミス・トラブル回避」として、DTP完全データを「出力先の要求する制作手順、フォーマット、入稿条件を把握し、 制作側が出力先の条件に合わせたデータを作ること」と定義し、ミスやトラブルの原因とそれらを防ぐ方法を紹介されました。また、人為的にミスを作った印刷物で事故の実例や損失を紹介され、「トラブル事例を知ることでミスを予見できる」とし「トラブル事例を印刷に関わる方に広く知ってほしい」と訴えられました。
2つ目は「ルール化、自動化をしてミスを防ぐ」として、ファイル名のネーミングの工夫やルール化、シーケンス制御によってDTP作業をコントロールする手法を実演やムービーを交えて紹介されました。また、主催者からのリクエストとして、簡単にカラーマッチングを行う方法の紹介や、OS、アプリ、出力環境の変化についても解説されました。
Session 2:出力・印刷の現場から
スピーカー:村上良日氏、
坂口礼治氏(株式会社ケーエスアイ) 、
柴田勉氏(株式会社ノア・デジタル)
Session 2では、柴田勉さんに進行をしていただき、入稿から印刷に入るまでの一連の工程を印刷機長や工程管理などの経験をお持ちの村上良日さんと印刷会社で出力を担当される坂口礼治さんのお二人が専門領域を分担する形でプレゼンテーションされました。
先ず、出力業務について紹介され、業務自体の紹介から、作業環境、出力環境について解説されました。次に、工程管理業務の紹介では、業務内容から入り、印刷する前に必要な情報、入稿から下版までの流れと管理の実際が解説されました。続いて、入稿データに関して触れられ、よくある入稿トラブルやPDF入稿について多くの事例を紹介され、それらがトラブルになる理由や回避方法などが解説されました。
まとめとして、「印刷仕様の正確な情報を伝える」「正しい出力見本をつける」「印刷会社の『現場の人』と仲良くなる」「勉強会を活用する」といったことを提言されました。
管理という堅い業務内容やトラブルの紹介をユーモアも交えてプレゼンテーションされ、本編終了後会場からのアンコールにも応えられました。
レポート:的場仁利
第4回勉強会の資料とフォローの文章は左メニューの「DTPの勉強会」にあります。
第4回 勉強会フォローアップ
第4回で使われたスライドをPDF形式でダウンロードできます。
●Session 1 担当 柴田
トラブルが発生したらmixiの「DTP完全データへの道」にトピックでも上げて下さい。
mixiに入っていない方はこのサイト「情報交換掲示板」に書くか、「お問い合わせ」からメールしてください。
インターネットが使える時代だからこそ、トラブル改善はみんなで共有して解決していきましょう。
●Session 2 担当 坂口
第4回 大阪DTPの勉強部屋でセッション2で、村上@やもさんと組んで話をさせていただきました。
市内の端っこで、mixiやtwitterの片隅で、ひっそりボソボソとつぶやいてた自分があんな大勢の前で話すことになるとは…。
何はともあれ、聞いてくださった方々、運営の方々、そして主催者のえむさんに大きな感謝!
ただ、そんな方々の気持ちを全部を汲むことができず、時間オーバーのため用意していた話ができずとなりました。
お詫びを兼ねていくつかフォローをこの場で。
(1)Illustrator CS以降のデータならPDF互換形式にチェックを入れておくと良いと思います。
CS以降では、ai形式で保存するとき「PDF互換ファイル作成」にデフォルトでチェックが入っています。
チェックを入れて保存するとデータ容量が重くなるので外す人も多いと思います。
ここにチェックを入れておくことで入稿後、ナニか問題があっても回避できることがあります。
データ容量が増えた分は、ちょっとした「保険」として考えれば良いと思います。
(2)PDFを確認するときはAcrobatの「出力プレビュー」を使用する。
PDFを開いて確認するだけでなく、Acrobat Proのメニューバー「アドバンスト」(Acrobat Pro 7なら「ツール」)から
「印刷工程」→「出力プレビュー」で確認することをオススメします。
こうすることで使用している色、各色のチェックを外すことでノセの確認ができます。
InDesignやIllustrator CS4でも同様のことができます。
ただ、入稿前の最終成果物がPDFになるのならPDFで確認することをオススメします。
(3)アウトライン神話は悪ではない
終了後「アウトラインは取らない方が良いのですか?」という質問をうけました。説明不足だったなーと反省。
InDesignなら例え「「ペラもの」であってもアウトラインにしない」が正解だと強く思ってます。
これはアウトライン神話の悪だと思います。
自分の目の前でしようとすれば、「実行」を押す瞬間に魂と体を分離させると思います(ぉい
Illustratorの場合だと少し状況が変わると思います。
手間だと思わない、むしろアウトラインにすることで「安心できる」と、なるならアウトラインにしても良いと思います。
「安心」「安全」は大事です。精神的にも良いですもんね~。
これはアウトライン神話の善だと思います。
ただし、アウトラインにしたら「○○○が変わった」という事例も経験もあると思います。
会場で配布した『トラブルシューティング』にも掲載されています。あと人為的ミスもあります。
そこに注意と確認ができるなら良いと思います。
他にもあるような気がするんですが…今はこれぐらいでお許しを(^^;
●Session 2 担当 村上(やも)
坂口さんと組んで、入稿後にナニが行われているか…についてお話しさせていただきました。
素人スピーカーの喋りを辛抱強く聞いてくださった皆様、ありがとうございます。またつきあって下さった坂口さん、華麗にまとめてくださった柴田さん、お声がけくださったえむさん、関係者の方々、本当にありがとうございました。
さて、ちょっと説明不足のところがあったと思いますので、フォローとして…
工程管理(生産管理!)として思う「完全データとは?」について。
勉強会では、「狭い意味での完全データ」「広い意味での完全データ」という言い方をしました。「狭い」方は今まで通り、印刷会社に入れても問題の出ないデータのことですが、「広い」方は入稿以前からのフローを含めた「完全(なフロー)のデータ」のことを指しています。と思っています(^^;
Session2のスライドで言う「時間の読めない」…印刷会社に入稿されるまで作業時間が分からない(どんな問題を抱えているか分からない)入稿でなく、「時間の読める工程」にするために必要なことが全てクリアされていれば、その「入稿」は完全だと言って良いと生産管理としては思っています。写真を差し替えようが、文字修正ありで責了で入稿されようが、そのことが事前に分かっていて(見積もりされていて)作業時間の読めるものなら、それは完全データ入稿だと言えると思います。
いくら制作側でデータとしての「完全」を目指しても、入稿に至るまでのフローがダメだと虚しい努力になってしまうのではないでしょうか。 狭義の完全データはスムーズな進行のための必要条件ですが、十分条件ではないのです。
広い意味での「完全」を実現できそうだ、印刷会社だけでなく入稿側にもメリットがありそうだと期待しているのがPDFなのですが、現状ではPDFにも、ファイル自体にもフローにも問題がある…ということを坂口さんとお話ししました。これは主に印刷会社側の責任が大きいと思いますが、従来と同じ流れ、同じ扱いで安易にPDFを使用するとかえってまずいことになる…という所で時間切れ。以下はその続きとして作ってみました。
PDFに期待する理由
(図1)は、従来工程の流れの一例です。右側が校了までの流れ、左側が印刷会社内の流れです。(ここでは色校正を印刷会社から出す流れはあえて書き込んでいません。時系列で複雑になるので…)
従来工程では、流れるデータはアプリケーションネイティブやEPSなどの、発注者側で見られない形式のため、一度校正紙を出力する必要があります。その時プリンタRIPによって解釈・ラスタライズされます※1。校正紙を作成者がチェック(内校正)してOKならば発注者へ渡ります。
この時点で発注者が見ているのはデータそのものではありません。また発注者側で、印刷上必要なことは通常チェックできません※2。そのため入稿後に印刷に必要な項目をチェックする作業がどうしても発生します。
つまり、データが「完全データ」になるのは印刷会社内での製版のチェックと修正後になり、この作業が入稿後に予期せず行われているのが問題なのです。またデータと校正紙の流れは同一でなく、発注者が見ているものとデータ内容が違う可能性も出てきます(→スライド参照;校了紙とDDCP出力※3が違う場合の対応)
このように入稿後に印刷適性を持たせる作業を予期せずしばしば行っていることが、従来工程では入稿から下版までが時間の読めない工程になっていた理由です。
今までの流れをあまり崩さず、PDFでの入稿を推進したとします(図2)過渡期の、印刷会社にはあまり導入に抵抗のないフローになるかと思います。
作成者はCS4を使い、発注者側では最低でも最新のAdobeReaderをインストールしている(最新のReaderが動作する環境がある)ことが前提となります。
作成者側はCS4アプリケーションから印刷用に直にPDF書き出しを行い、Acrobat等でのプリフライト後発注者と印刷会社の現場へ同時に送付します。
発注者側では通常の校正をReaderで行い、印刷会社側ではAcrobatでチェックして印刷に適したデータとなるようなアドバイスを発注者側へ戻します。作成者へは発注者側となる営業他から一括してフィードバックします。このループは必要に応じて繰り返します(現場チェック※4は、少なくとも初回と校了前に行うのが望ましいと思います)。
こうして校了となったデータは印刷に適したデータになっており、このまま印刷工程に流すことができるはずです。校正時と印刷用データが(基本的には)同じものを使えること、(基本的には)Readerさえあれば誰でも、フローのどの部分でも印刷時と同じものが見られるデータ形式だからこそ可能なフローです。
このループで入稿前に(狭義の)完全データを作ってしまうのが、入稿から下版までを時間の読める工程にするフローになるかと思います。
※1 プリンタ搭載RIPは印刷会社で使用しているRIPとは違うため、結果が異なる可能性があります。
※2 (※1)の理由に加え、プリント時にトンボ&塗り足しまでプリントされているか、裁ち落とされているかでもチェック可能な項目が変わりますし、文字に4色乗っている、オーバープリント・抜き、インキ総量、トラッピングなど、プリントでは確認し辛いものや、また印刷用紙によりどう色が変化するかのシミュレーションなどはなかなかチェックして頂くのは難しいと思います。
※3 いきなりアルミニウムのCTP版を出力すると高く付くので、安い材料で最終出力と同じ面付でCTP版出力をシミュレートします。インクジェットプリントや、大判のモノクロ・カラーコピー機などを使います。
※4 校了以前の作業に製版の現場の人員を使うと、本来の作業への割り込みが多くなり製版作業に集中してもらえなくなるので、生産管理部などで行うのがよいかと思います。
参加された皆さん、ありがとうございました。
現在、セッション1・2の資料をPDFにして配布する準備をしています。
用意が出来ましたらサイト・メールで告知します。
まだ定員に余裕があります。
名古屋のYUJIさんからのプレゼント。
『InDesign スタイル機能Perfect Book』を差し上げます(非売品です)。
この小冊子は、YUJIさんと吉田印刷所さん、ユポ・コーポレーションさんのコラボ企画により印刷したもので、
InDesignの(表スタイル・セルスタイルを除く)すべてのスタイル機能を分かりやすくまとめてあります。
これを読んでいただければ、InDesignのスタイル機能がかなり理解できるかと思います。
今のところ参加者全員にお渡しできる予定です。
新潟の小野塚印刷(株)さんからのプレゼント。
これは抽選になります。
見事な印刷です。展示しますのでルーペをお持ちの方は持ってきて覗いてみてください。
(株)モリサワさんからは営業の方が作られた
Adobe製品のDTPトラブル集
を提供していただきました。参加者全員にお渡しします。
Adobeさんからは
エコステープラーとか、ノートとか、Adobeが出した出力の手引き等を
提供していただきました。
第4回勉強会の開催が決定しましたのでお知らせいたします。
今回は出力がテーマです。
安全に出力できるデータとは? 出力現場ではどんな事が行われているのか?
デザイナー・DTPオペレーター・印刷用データ作成にかかわっている人達にはぜひ聞いていただきたい話しです。
勉強会の参加希望の方は、左側にある「勉強会参加申込み」からお申し込みください。
※お知らせメールを送ったのですが、文字が化けて届いている場合があるようです。
エンコーディングがおかしくなって届いているようです。申し訳ありません。
■勉強会
3月6日 土曜日
14時~19時
受付 13時から
■場所 ※前回と場所が違います。
TKP大阪淀屋橋カンファレンスセンター
〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島2-2-2
大阪中之島ビル (旧ニチメンビル)
B1F ホールA
【アクセス】
地下鉄 御堂筋線 淀屋橋駅より徒歩3分
地下鉄 四つ橋線 肥後橋駅より徒歩3分
京阪中之島線 大江橋駅より徒歩20秒
地図
■参加費 2,000円(領収書の発行有)
■内容(予定)
Session 1「DTP完全データでトラブル回避」
Illustrator 8からCS以降になって出力はどう変わったか。
モニター・プリンタ・印刷間の色ズレを最小限に
実際の印刷物を用意してトラブルの事例や出力のルールを解説します。
クラッシックOS9とOSX、ハイブリッドで使える実機で説明します。(G5(PowerPC))
スピーカー:柴田勉(株)ノア・デジタル
mixiコミュ「DTP完全データへの道」管理人
Session 2「出力・印刷の現場から」
出力データを受け取った現場ではナニが起こっているのか?
現場からの声をお届けします。
1.印刷日程は、こう組まれている
入稿から納品の間に何が起こっているのか、一例をお見せします。
2.よくあるデータ内容
→実際にありそうなトラブルを紹介します。
3.ほんとにPDFは良いのか
4.現場が思う便利なTips
スピーカー:村上良日〈印刷機長や工程管理など経験〉
坂口礼治〈製版で出力業務を担当〉(株)ケーエスアイ
柴田勉(株)ノア・デジタル
交流会
前回までは勉強会の後、有料で飲食付き懇親会をやっていましたが、
今回からは無料・飲食無しで、19時まで交流会をします。
参加は自由です。勉強会後、時間のある方はご参加ください。
参加者同士の名刺・情報交換や、
今回のスピーカーの方に質問したり、
「○○アプリの事は○○さん、システムなどは○○さんに聞くといいです」
と勉強会のメンバーを紹介しますので、自由に質問・交流をしてください。
【お願い】
出力でこんなトラブルがあった、
出力で聞きたいことがある方は
申込みのコメント欄に書くか、
または左の「お問い合わせ」から
メールをください。
※参加お申し込みは左の「勉強会参加申込み」から申し込んで下さい。
※参加者1人につき1メールでお申し込み下さい。
※先着順にて受付し、定員に達し次第受付を締め切ります。
※重複してお申し込みはできません。
※自動で受付完了メールが行きます。半日経っても着かない場合は「お問い合わせ」からご連絡ください。
※申し込みのキャンセルや申し込み内容の変更、ご質問等がありましたら、「お問い合わせ」からご連絡下さい。
第3回勉強会の開催が決定しましたのでお知らせいたします。
勉強会および懇親会の参加希望者の方は、左側にある「勉強会参加申込み」からお申し込みください。
■勉強会
10月3日 土曜日
14時~18時
受付 13時から
■場所
TKP大阪梅田ビジネスセンター
〒553-0003 大阪市福島区福島5-4-21
TKPゲートタワービル
ホール2A
地図
※阪神高速道路がビル内を通っているビルです。
【アクセス】
JR「大阪駅」・阪急「梅田駅」・阪神「梅田駅」・地下鉄四つ橋線
「西梅田駅」の地下街を通って 6-2番出口より徒歩30秒
JR線「福島駅」徒歩2分
阪神線「福島駅」徒歩5分
JR東西線「新福島駅」徒歩5分
■参加費 2,000円(領収書の発行有)
■内容(予定)
Session 1 フォント
大石十三夫(はあどわあく)Webサイト「なんでやねんDTP」主宰
デジタルフォント以前の手動写植ではどんなふうに
正字・外字・記号に対応していたか。
阿野勝俊(株式会社モリサワ)
ProN、Pr6、Pr6Nの解説。
UDフォントの意義・価値。
YUJI(有限会社ザッツ)Webサイト「InDesignの勉強部屋」主宰
過去のOCFからOTFの解説。
種類や呼び名やその分類、特徴。
ユニコードやOpenTypeフォントのメリット、 SING等の解説。
宮地知(WORK STATION えむ)
InDesign等アプリでのフォントトラブル、
出力現場でのフォントトラブルの解説。
Session 2 PDF
YUJI(有限会社ザッツ)「InDesignの勉強部屋」主宰
出力用や校正用、Web用など、さまざまなPDFの解説。
DTPで利用されているPDF にはどういったものがあり、
どのように作成されているのか、
またどのように活用すればよいのかを解説
宮地知(WORK STATION えむ)
InDesign等アプリでのPDFトラブル、
出力現場でのPDFトラブルの解説。
■懇親会
時間:18時~20時
場所:勉強会と同じ会場
費用:4,000円 (領収書の発行有)
※参加お申し込みは左の「勉強会参加申込み」から申し込んで下さい。
※今回から参加者1人につき1メールでお申し込み下さい。
※先着順にて受付し、定員に達し次第受付を締め切ります。
※重複してお申し込みはできません。
※自動で受付完了メールが行きます。もし着かない場合はご連絡ください。
※申し込みのキャンセルや申し込み内容の変更、ご質問等がありましたら、「お問い合わせ」からご連絡下さい。
大阪DTPの勉強部屋は「この街のクリエイター博覧会4」に参加しています。
第2回勉強会レポート
2009年6月6日(土)TKP大阪梅田ビジネスセンターにて、「大阪DTPの勉強部屋」の第2回勉強会が開催された。
内容はSession 1としてWORK STATIONえむの宮地知さんによる「DTP作業はIllustratorか、InDesignかどちらが便利?」、Session 2としてInDesignの勉強部屋のYUJIさんによる「InDesignの使いこなし術2」、Session 3としてスクリプトノートのたけうちとおるさんによる「DTP作業を楽にするスクリプト入門」の三部構成で進行した。参加者が100名を超えたにも拘わらず定刻には満席の状況で、活気に満ちた勉強会となった。
Session 1:DTP作業はIllustratorか、InDesignかどちらが便利?
スピーカー:宮地知氏(WORKSTATIONえむ)
Session 1ではInDesignとIllustratorの違いを具体的に比較して、解説していただいた。
まずテキスト入力、文字組み、スタイル指定、写真の扱い、白フチ文字について比較検討された。
大きな違いとして、データ結合と表組みを上げて解説した。どちらもInDesingにしかない機能である。特にデータ結合については、エクセルでの写真名の指定方法から、テキスト書き出しの注意点や実際のデザインとデータの関連付け、プレビューによるチェック、複数レコードの割付、画像配置の設定、元データ変更時の更新、元データでの注意点など実務に即した丁寧な実演が行われた。これなら明日から実践に使えるのではないだろうか。
InDesignの表組み機能はあまりに簡単便利ということで、普段Illustratorを使っている人でも使えるワザとしてInDesignで作表して、PDFに書き出しIllustratorで開くというやり方を実演してくれた。
両者が決定的に違うのがパッケージ機能という。出稿にあたって貼り付けた写真などを一まとめにする機能だがこれもIllustratorにはない。作業上のトラブルをなくすためには必要な機能だ。
最後にInDesignが何百ページものページものを作るレイアウトソフトとして進化してきた点を指摘。その過程で大量の作業を効率よくこなすための機能がどんどん充実してきており、その代表的な例として検索置換機能の充実を挙げた。後々の訂正にも効率よく対処できる仕組みが備わっている。
以上のことから組むのはInDesignを主としてIllustratorは部品作りと役割を分担することがぺら物であっても望ましい姿ではないかと締めくくった。
Session 2:InDesignの使いこなしPart 2
スピーカー:YUJI氏(InDesignの勉強部屋)
Session 2では前回に引き続いて、はるばる名古屋からInDesignの勉強部屋のYUJI氏に来ていただいて、InDesignの必須テクニックを教えていただいた。今回は特に文字組指定に必須の文字詰め機能を中心に、文字組みアキ量設定、コンポーザ、禁則調整方式、ハイフネーション処理についてスッキリと説明されていたのが印象的であった。
まず、文字詰めでは、均等、プロポーショナル、手作業のそれぞれの文字詰めについて考え方と実際の動作を
均等処理では文字送り(トラッキング)、フレームグリッド、文字組セット、ジャスティファイのそれぞれの機能を使った均等詰め取り上げた。
もっともお勧めなのは、フレームグリッドを使った文字送りで、この場合は欧文の文字間は変化しない。
プロポーショナルな詰めでは、InDesignが最適な間隔を探し出すオプティカル、オープンタイプフォントがもっている詰め情報を利用するメトリックス、さらに加えて特定の文字同士のペアカーニングの例を紹介していただいた。
文字組みアキ量設定は使いこなせばかなり複雑な文字組み規則を適用させることができそうだが、実際に使いこなすにはよくわからない。例えばデフォルトでは14の文字組みの設定がされているが、どれを選んでよいかわからないのだ。YUJI氏は、これらの設定が4つの文字組み設定と3つの段落1字下げの組み合わせであることをわかりやすく図示してくれた。顧客個別の文字組みに対応するには、この4つの文字組みを基本としつつ、19の文字種間の文字間の設定を行えばよい。
コンポーザには単数行コンポーザと段落コンポーザがあり、段落コンポーザがデフォルト設定されているが、訂正があったときに変更した文字の詰めの変化の影響で、それ以前の行の改行位置が変わる場合があり、厳しいお客さんが多い印刷会社さんの場合は、単数行コンポーザを利用したほうが安全だという。
意外と気が付きにくい点として、欧文段落の場合の対応がある。欧文段落については欧文段落コンポーザや言語指定が必要なケースがあり、どの場合にどうすればよいか、ハイフネーションも含めて勉強になった。
もっとも基本的な文字詰めだが、「考え方」を基本に、シンプルでわかりやすい場合わけをして説明してもらったので、マニュアルの記載が詳細すぎてなかなか全体像を把握しにくかったオペレータの方々にとってもレベルアップの実感を得られたのではないだろうか。
Session 3:DTP作業を楽にするスクリプト入門
スピーカー:たけうちとおる氏(たけうちとおるのスクリプトノート)
Session 3では日頃、なかなか実際に使う機会がないスクリプトをたっぷり紹介していただいた。たけうちさんはQuarkXPress3.3のころから「楽進」など作業の自動化に役に立つスクリプトを印刷業界に提供していたことでも有名でご存知の方も多かったのではないだろうか。
この日のために新たに開発したInDesign、Illustratorのスクリプト40個を紹介していただくとともに、スクリプトの作成、変更方法についても説明いただいた。
今回開発していただいたスクリプトは「たけうちとおるのスクリプトノート」からダウンロードできる。各スクリプトには説明記事が書かれているので、一つずつ試していける。
InDesignのスクリプトでは、ルビ支援、検索置換、再リンク、PDF配置、キャプション、選択画像を個別に変形、繰り返し複製、表、部分角版といったスクリプトを紹介してくれた。
「ルビ支援」では、モノルビとグループルビの相互変換、一定の書式で書かれたデータのルビ振りを紹介してもらった。「検索置換」ではカッコでかこまれた数字を丸数字に変換してくれるなど、正規表現を使った変換でも面倒な指定が必要だった作業を手軽に実現している。
画像の再リンクでは拡張子が違うファイルを一気に再リンクできる。今まではEPSを使ってきたが、最近の傾向でフォトショップのPSDを使うよう変更があった場合に超便利である。
「繰り返し複製」を使うと縦横両方向、すなわち2次元の複製ができる。標準では縦横どちらから一方だったのでこれは便利である。
この繰り返し複製を応用した「訂正シール専用スクリプト」も作られていた。このスクリプトのよい点はカットしやすいようにトンボを書き出せるようになっていることだ。これには会場からも納得のどよめきがあった。皆さん苦労されているようだ。
Illustratorについても選択範囲、複製、部分角版、保存、トンボ、Mapデータに関するユニークなスクリプトを紹介してもらった。
「Mapデータ」の例ではインターネット上からダウンロードした数値地図の情報を読み込み地区別にカラーわけする例を見せていただいた。スクリプトを使うと手作業を自動化するだけでなく、顧客の幅広い要求に答えられる可能性がある。特に地図情報はデータベースと組み合わせると自治体などへの営業力強化につながるのではないか。
数値地図のデータは公的に公開されたデータであるから、広い応用範囲が期待できるワザである。最後に大阪DTP勉強部屋で要望があったスクリプトについても説明していただいた。
Report:馬場幹彦
9月か10月に開催予定
テーマは
InDesign使いこなし術パート3
フォントの話
PDFの話
を予定しています。
平成21年6月6日(土)
参加者 104名
懇親会 50名
懇親会2次会 23名
参加者の皆さん、スタッフの皆さん
お疲れ様でした。
当日のレポートが出来たら掲載します。
第2回勉強会の開催が決定しましたのでお知らせいたします。
勉強会および懇親会の参加希望者の方は、左側にある「勉強会参加申込み」からお申し込みください。
■勉強会
6月6日 土曜日
14時~18時
受付 13時30分から
■場所
TKP大阪梅田ビジネスセンター
〒553-0003 大阪市福島区福島5-4-21
TKPゲートタワービル
カンファレンスルーム9B
地図
※阪神高速道路がビル内を通っているビルです。
【アクセス】
JR「大阪駅」・阪急「梅田駅」・阪神「梅田駅」・地下鉄四つ橋線
「西梅田駅」の地下街を通って 6-2番出口より徒歩30秒
JR線「福島駅」徒歩2分
阪神線「福島駅」徒歩5分
JR東西線「新福島駅」徒歩5分
■参加費 2,000円
■内容(予定)
Session 1
「DTP作業はIllustratorかInDesignか、どちらが便利?」
同じ印刷物をIllustrator、InDesignで作ってみて作業内容を比較します。
スピーカー 宮地(えむ)
Session 2
「InDesign使いこなしパート2」
スピーカー YUJI(InDesignの勉強部屋)
Session 3
「DTP作業を楽にするスクリプト入門」
スクリプトを書きたい人も、使うだけの人にも
簡単なスクリプト解説。
スピーカー たけうちとおる
「DTP作業を楽にするスクリプト入門」では
こんなスクリプトがあったら便利やから作って欲しいと言うリクエスト募集中です。
現在どんなスクリプトが有るのかはたけうちとおるのスクリプトノートをご覧下さい。
■懇親会
時間:18時~20時
場所:勉強会と同じ会場
費用:4,000円
※セミナーは先着順にて受付し、定員に達し次第受付を締め切ります。
※重複してお申し込みはできません。
※申し込みのキャンセルや申し込み内容の変更、ご質問等がありましたら、「お問い合わせ」からご連絡下さい。
大阪DTPの勉強部屋 第1回勉強会のレポートを名古屋の的場さんからいただきました。ありがとうございました。
第1回勉強会レポート
2009年3月7日(土)TKP大阪梅田ビジネスセンターにて、「大阪DTPの勉強部屋」の第1回勉強会が開催されました。
内容は、Session 1としてWORK STATIONえむの宮地知さんによる「最新のOS/ハード/アプリ」、Session 2としてInDesignの勉強部屋のYUJIさんによる「InDesignの使いこなし術」とアドビシステムズの大倉壽子さんによる「Photoshop CS4、Illustrator CS4の紹介」、Session 3として「大阪勉強会のこれからのテーマ」の三部構成で進行しました。聴講者数が予定を大きく上回ったため急遽会場を変更するほどの盛況をいただきました。
Session 1:最新のOS/ハード/アプリ
スピーカー:宮地知氏(WORK STATIONえむ) まずDTP前史として専用システムのお話しから始まり、SMI EDIANのシステム構成や写研が運営してい
た写植教室を例に挙げ、設置から教育までの一切を含む専用システムの対極にDTPは存在していると分析。そして、DTPというものは構造的にユーザーが自分自身の判断で何とかしてゆかねばならないものであるという考えを述べられました。その上で、現在のDTPシステムを構成するハード、OS、レイアウトソフト、画像処理・製版系ソフト、原稿を作成するオフィススイートなどを取り上げ、それらの中身の比較・解説や仕事を快適にするためのTIPSを披露。ツールを通してDTPの世界を概観されました。
Session 2-1:InDesignの使いこなし術
スピーカー:YUJI氏(InDesignの勉強部屋)
Session 2の前半は、InDesignの勉強部屋のYUJIさんに「InDesignの使いこなし術」と題して、検索と置換、スタイル機能を中心に、ここ2~3世代のInDesignで使える機能をご紹介いただきました。検索と置換として、同じユニコード値を持つ異体字でも置換できる「GID/CIDコードでの検索置換」、文字だけでなく属性での検索も可能にする「正規表現を使った検索置換」、正規表現に関する情報が得られる市川せうぞー氏のウェブサイト「ShowTime+one」などが紹介されました。続いてスタイル機能として、段落先頭のテキストに本文と異なるスタイルを適用する「先頭文字スタイル」、表にスタイルを設定する「表スタイル」、フレームグリッドをフォーマットとして用意できる「グリッドフォーマット」などが紹介されました。
Session 2-2:Photoshop CS4、Illustrator CS4の紹介
スピーカー:大倉壽子氏(アドビシステムズ)
Session 2の後半は、アドビシステムズの大倉壽子さんに最新のPhotoshop CS4、Illustrator CS4をご紹介いただきました。Creative Suiteの全般的なお話しとしてBridgeに触れ、アプリケーション間の橋渡し、カラーマネージメントの同期などの機能が紹介されました。 続いてPhotoshopの説明としては、CS3より改善された「コピースタンプツール」、自然な感じを保ったまま画像サイズを変更する「コンテンツに応じた拡大・縮小」などが紹介されました。Photoshop Extendedの説明として、3Dレイヤーにマッピングやペイントを施す機能、球のシェイプに静止画の地図をマッピングして3Dの地球を作るデモが披露されました。 Illustratorの説明としては、ドラッグした軌跡でパスを作成する「塗りブラシツール」、紙に書いた絵をパスに変換する「ライブトレース」、複数のアートボードのサポート、トンボについての仕様変更とその注意点、線やカラーもコントロールできるようになった「アピアランスパネル」、「分版プレビュー」の搭載、楕円状のグラデが可能になった「グラデーションツール」、色覚障碍者の視界を再現する「色覚シミュレーション」などが紹介されました。最後に作業スクリーンを共有するサービス「ConnectNow」に会場の聴講者に接続してもらう試みが行われました。
Session 3:大阪勉強会のこれからのテーマ
スピーカー:宮地知氏(WORK STATIONえむ)
Session 3では宮地さんが再び登場され、「大阪DTPの勉強部屋」の今後の計画についてお話しされました。1つめに「データを作る」として、環境移行、アプリケーションの便利な使い方、標準機能、スクリプト、自動処理などを挙げ、2つめに「データを出力する」として、入稿方法、印刷機、色調、用紙などを、3つめに「DTPオペレーター」として、文字組版、フォント、データ管理、バックアップ、デジタルワークフロー、自動組版、校正、印刷物とWEBの関係、印刷現場の話といった事柄に取り組んでゆきたいとお話しされました。また、形態はセミナ―だけでなく少人数の分科会のようなスタイルも検討しており、アイディアをEメールで寄せて欲しいと語られました。
レポート:的場仁利
日時 平成21年3月7日(土)
午後2時~6時00分(1時30分より受付開始)
場所 TKP大阪梅田ビジネスセンター
〒553-0003 大阪市福島区福島5-4-21
TKPゲートタワービル
勉強会参加者 72名
懇親会 桜坂にて 午後6時30分~
懇親会参加者 50名
Session 1(60分)
宮地(えむ)
最新のハード/OS/アプリ
10分休憩
Session 2 (45分)
YUJI(InDesignの勉強部屋)
InDesign「CS2、CS3の使いこなし術」
InDesign CS4の紹介
10分休憩
(35分)
大倉(アドビシステムズ)
Photoshop CS4、Illustrator CS4の紹介
15分休憩
Session 3 宮地 大阪勉強会のこれからのテーマ
(株)モリサワ様の提供で以下の物を参加者に配布しました。
冊子
・文字で語る
・組版で語る
・Morisawa Font Dictionary
カタログ
・MORISAWA PASSPORT
・モリサワ書体一覧ポスター
モリサワエコバッグ
アドビシステムズ(株)様からは
パンフレットと若干数のグッズを提供していただきました。
グッズは抽選になりました。
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