2010年3月6日(土)TKP大阪淀屋橋カンファレンスセンターにて、「大阪DTPの勉強部屋」の第4回勉強会が開催されました。
Session 2では、「出力・印刷の現場から」として、工程管理を専門とする村上良日さん、ケーエスアイの坂口礼治さん、ノア・デジタルの柴田勉さんのお三方による、入稿から印刷に入るまでの総合的なお話しとなりました。また、今回は「交流会」と題して勉強会終了後に会場を解放し、情報交換の場を提供する試みを行いました。こちらにも多くの方にご参加いただくことできました。
Session 1:DTP完全データでトラブル回避
スピーカー:柴田勉氏(株式会社ノア・デジタル)
Session 1では、印刷会社でデジタル製版部門を統括される柴田勉さんが「DTP完全データでトラブル回避」と題して、大きく二つのテーマでお話しされました。
1つ目は「完全データでミス・トラブル回避」として、DTP完全データを「出力先の要求する制作手順、フォーマット、入稿条件を把握し、 制作側が出力先の条件に合わせたデータを作ること」と定義し、ミスやトラブルの原因とそれらを防ぐ方法を紹介されました。また、人為的にミスを作った印刷物で事故の実例や損失を紹介され、「トラブル事例を知ることでミスを予見できる」とし「トラブル事例を印刷に関わる方に広く知ってほしい」と訴えられました。
2つ目は「ルール化、自動化をしてミスを防ぐ」として、ファイル名のネーミングの工夫やルール化、シーケンス制御によってDTP作業をコントロールする手法を実演やムービーを交えて紹介されました。また、主催者からのリクエストとして、簡単にカラーマッチングを行う方法の紹介や、OS、アプリ、出力環境の変化についても解説されました。
Session 2:出力・印刷の現場から
スピーカー:村上良日氏、
坂口礼治氏(株式会社ケーエスアイ) 、
柴田勉氏(株式会社ノア・デジタル)
Session 2では、柴田勉さんに進行をしていただき、入稿から印刷に入るまでの一連の工程を印刷機長や工程管理などの経験をお持ちの村上良日さんと印刷会社で出力を担当される坂口礼治さんのお二人が専門領域を分担する形でプレゼンテーションされました。
先ず、出力業務について紹介され、業務自体の紹介から、作業環境、出力環境について解説されました。次に、工程管理業務の紹介では、業務内容から入り、印刷する前に必要な情報、入稿から下版までの流れと管理の実際が解説されました。続いて、入稿データに関して触れられ、よくある入稿トラブルやPDF入稿について多くの事例を紹介され、それらがトラブルになる理由や回避方法などが解説されました。
まとめとして、「印刷仕様の正確な情報を伝える」「正しい出力見本をつける」「印刷会社の『現場の人』と仲良くなる」「勉強会を活用する」といったことを提言されました。
管理という堅い業務内容やトラブルの紹介をユーモアも交えてプレゼンテーションされ、本編終了後会場からのアンコールにも応えられました。
レポート:的場仁利
第4回勉強会の資料とフォローの文章は左メニューの「DTPの勉強会」にあります。