大阪DTPの勉強部屋 第1回勉強会のレポートを名古屋の的場さんからいただきました。ありがとうございました。
第1回勉強会レポート
2009年3月7日(土)TKP大阪梅田ビジネスセンターにて、「大阪DTPの勉強部屋」の第1回勉強会が開催されました。
内容は、Session 1としてWORK STATIONえむの宮地知さんによる「最新のOS/ハード/アプリ」、Session 2としてInDesignの勉強部屋のYUJIさんによる「InDesignの使いこなし術」とアドビシステムズの大倉壽子さんによる「Photoshop CS4、Illustrator CS4の紹介」、Session 3として「大阪勉強会のこれからのテーマ」の三部構成で進行しました。聴講者数が予定を大きく上回ったため急遽会場を変更するほどの盛況をいただきました。
Session 1:最新のOS/ハード/アプリ
スピーカー:宮地知氏(WORK STATIONえむ) まずDTP前史として専用システムのお話しから始まり、SMI EDIANのシステム構成や写研が運営してい
た写植教室を例に挙げ、設置から教育までの一切を含む専用システムの対極にDTPは存在していると分析。そして、DTPというものは構造的にユーザーが自分自身の判断で何とかしてゆかねばならないものであるという考えを述べられました。その上で、現在のDTPシステムを構成するハード、OS、レイアウトソフト、画像処理・製版系ソフト、原稿を作成するオフィススイートなどを取り上げ、それらの中身の比較・解説や仕事を快適にするためのTIPSを披露。ツールを通してDTPの世界を概観されました。
Session 2-1:InDesignの使いこなし術
スピーカー:YUJI氏(InDesignの勉強部屋)
Session 2の前半は、InDesignの勉強部屋のYUJIさんに「InDesignの使いこなし術」と題して、検索と置換、スタイル機能を中心に、ここ2~3世代のInDesignで使える機能をご紹介いただきました。検索と置換として、同じユニコード値を持つ異体字でも置換できる「GID/CIDコードでの検索置換」、文字だけでなく属性での検索も可能にする「正規表現を使った検索置換」、正規表現に関する情報が得られる市川せうぞー氏のウェブサイト「ShowTime+one」などが紹介されました。続いてスタイル機能として、段落先頭のテキストに本文と異なるスタイルを適用する「先頭文字スタイル」、表にスタイルを設定する「表スタイル」、フレームグリッドをフォーマットとして用意できる「グリッドフォーマット」などが紹介されました。
Session 2-2:Photoshop CS4、Illustrator CS4の紹介
スピーカー:大倉壽子氏(アドビシステムズ)
Session 2の後半は、アドビシステムズの大倉壽子さんに最新のPhotoshop CS4、Illustrator CS4をご紹介いただきました。Creative Suiteの全般的なお話しとしてBridgeに触れ、アプリケーション間の橋渡し、カラーマネージメントの同期などの機能が紹介されました。 続いてPhotoshopの説明としては、CS3より改善された「コピースタンプツール」、自然な感じを保ったまま画像サイズを変更する「コンテンツに応じた拡大・縮小」などが紹介されました。Photoshop Extendedの説明として、3Dレイヤーにマッピングやペイントを施す機能、球のシェイプに静止画の地図をマッピングして3Dの地球を作るデモが披露されました。 Illustratorの説明としては、ドラッグした軌跡でパスを作成する「塗りブラシツール」、紙に書いた絵をパスに変換する「ライブトレース」、複数のアートボードのサポート、トンボについての仕様変更とその注意点、線やカラーもコントロールできるようになった「アピアランスパネル」、「分版プレビュー」の搭載、楕円状のグラデが可能になった「グラデーションツール」、色覚障碍者の視界を再現する「色覚シミュレーション」などが紹介されました。最後に作業スクリーンを共有するサービス「ConnectNow」に会場の聴講者に接続してもらう試みが行われました。
Session 3:大阪勉強会のこれからのテーマ
スピーカー:宮地知氏(WORK STATIONえむ)
Session 3では宮地さんが再び登場され、「大阪DTPの勉強部屋」の今後の計画についてお話しされました。1つめに「データを作る」として、環境移行、アプリケーションの便利な使い方、標準機能、スクリプト、自動処理などを挙げ、2つめに「データを出力する」として、入稿方法、印刷機、色調、用紙などを、3つめに「DTPオペレーター」として、文字組版、フォント、データ管理、バックアップ、デジタルワークフロー、自動組版、校正、印刷物とWEBの関係、印刷現場の話といった事柄に取り組んでゆきたいとお話しされました。また、形態はセミナ―だけでなく少人数の分科会のようなスタイルも検討しており、アイディアをEメールで寄せて欲しいと語られました。
レポート:的場仁利